稀勢の里の15日間(平成30年秋場所)2/2
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○九日目:栃ノ心
稀勢の里三連敗中の嫌な相手。
しかも大関に昇進し力を付けているのは明らか。
かなり分が悪い。
稀勢の里が左から押っ付けて左差し。
栃ノ心も左を差す。
稀勢の里は右の上手を引いた。
栃ノ心の小手投げも万全の形のため少々体が浮く程度。
そのまま寄り切った。
稀勢の里は今場所一番の相撲を見せた。
この相撲で自分は今場所稀勢の里の進退問題が浮上することはないと確信した。
○十日目:遠藤
まずまず戦いやすい相手。
ここで勝ってまずは勝ち越しを決めたい。
立ち合い…呼吸が合わない。
二度目は行司はなぜ止めた?
あのままでも呼吸自体はあっているのに。
三度目も呼吸合わず。
結局四度目の立ち合い。
稀勢の里は張って左を差し一気の寄り。
立ち合いの不成立で水をさされた気分だが…
稀勢の里は無事勝ち越した。
この時点で稀勢の里の進退問題について騒ぎ立てる輩がわんさかいたがそういうのは乙じゃない。
心の中で思い場所が終わった後に言うのが乙なのだ。
思っていてもまだ言うべきではない。
中盤戦は三勝二敗
●十一日目:逸ノ城
二桁勝つにはここを落とすのはもったいない。
かといってやりやすい相手ではない。
立ち合いふわっと立って逸ノ城の重い突きにあっさりと土俵を割ってしまった。
稀勢の里これはいかんだろう。
今場所はあっさり負けてしまう相撲が多い。
稀勢の里という力士がよく分からなくなってしまった。
○十二日目:御嶽海
大関昇進を賭けて臨む御嶽海。
当然嫌な相手。
動画を見ると分かるが舞の海秀平氏がまた要らんことを言っている。
これは北の富士勝昭氏に喝を入れていただきたい。
立ち合いは稀勢の里が張って左を差しに行く。
稀勢の里が左下手を取り、御嶽海は右の上手を取った。
苦しい体勢から稀勢の里は左下手投げ。
この下手投げで稀勢の里と御嶽海の体が離れた。
落ち着いて稀勢の里は左手を前に出し、御嶽海の脇にこじ入れる。
最後は右の上手も取って寄り切り。
昨日の相撲が嘘のように落ち着いていた。
次は白鵬戦。
●十三日目:白鵬
立ち合いは白鵬が張り、素早く自分の形を作った。
ここで稀勢の里の左が入れば話が別だが左は入らず一方的に寄り切られた。
やはり白鵬は強い。
○十四日目:鶴竜
実は対戦成績では稀勢の里が圧倒している。
しかし今年2回優勝している鶴竜。
序盤は完璧な相撲で他を寄せ付けなかった。
非常に苦労するであろう相手。
動画を見ると分かるが鏡山親方が何を言っているかさっぱりわからない。
活舌的な部分で。
苦しい稀勢の里。
左の下手で鶴竜の攻めをとにかく防ぐ。
互いに攻め手を探り合う。
形としては鶴竜の方が良い形。
じっとタイミングを伺う両者。
下手を切り稀勢の里が投げを打つ。
そのまま寄り切り。
横綱に勝利して二桁の白星は大変立派。
●千秋楽:豪栄道
今場所決して調子は悪くない豪栄道。
過去はそれなりに稀勢の里が勝っていたが…
立ち合い豪栄道が素早く左を入れ押し込む。
稀勢の里は左を入れることが出来ず押し込まれる。
豪栄道が押し込むところを引いて突き落とし。
千秋楽を白星で飾ることはできなかった。
後半戦は二勝三敗。
まとめ
今場所が始まる前正直稀勢の里が勝ち越せるイメージなどほとんどなかった。
薄氷を踏む思いで毎日稀勢の里の取り組みを見ていた。
不安は案外早い段階で取り除かれた。
序盤の5連勝は大きかった。
怪我する前の稀勢の里の強靭な下半身も見ることが出来た。
二桁の勝利は復帰後という視点で見ると十分な結果。
来場所は当然優勝争いという話になるだろう。
出来れば賜盃を抱いている姿を…
稀勢の里お疲れさまでした!